黒いセダン

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  これを防止するために次第に安全な献血制度が確立してゆき、売血はなくなって行ったのだが。 医療の現場に多少、顔を利かせていた清司は当時、頻繁に交流のあった、イギリス人医学博士トーマス ラッセルズと共に万能皮膚薬「トマス軟膏」と水虫薬「トマスチンキ」を開発し、製造販売を始めた、それが庶民から高い評価を受けて、清司は石田製薬を発足させたのだった。 最初は小さな会社であったが、勝の代になると、技術者を集め、更に設備投資を行い、化学薬品工場を運営するまでになっていったのだった。 ちなみに万能皮膚薬「トマス軟膏」と、水虫薬「トマスチンキ」はいまだに石田製薬の看板商品である。  
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