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長くてくだらない卒業式を終えて、クラスメイトと教室に戻った。
ほとんどの女子は泣いていたし、男子も泣いていた奴もいた。
あたしは、七粒くらい涙を流して終わった。
「みずき、泣いてないじゃん」
「だから、泣かないって言ったでしょ」
本当は少し泣いたんだけど。
りょーすけの目は、ちょっと赤くなっていた。
泣いたんだろうな。
一瞬にして想像できた。
今日は晴れ。
良き卒業日和。
「お前はホント、冷めてるよな」
ため息混じりにりょーすけは、あたしを上目遣いで見つめた。
その言葉はムシした。
冷めてるんじゃなくて、冷静なだけ。
「最後くらいは泣けよ~」
誰が泣くか。
あたしに余計な言葉をかけて、りょーすけは、男友達の背中にダイブした。
泣きたくない。
でも、卒業するって思ったら、きゅうと胸の奥が押し潰された。
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