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その頃――。
「僕はカウンターにいる。」
そう言って蓮はカウンターへ向かった。
(なんだ…。)
(こっちで一緒に座らないですか…。)
榎本と莉玖はガッカリしていた。
「…。」
(こいつら…。)
二人を見て、美雪は何かに感づていた。
接客中も蓮が気になって仕方がない三人。
北斗にカクテルを差し出され、微笑む蓮に自分達の胸が異様なほど早く脈打つ。
『!!』
いくら不意打ちの微笑を見ても、明らかに可笑しいだろうという事に気づいた。
(私…蓮さんの事…?)
(俺……マジかよ…!)
莉玖と榎本が苦悩していると、ガタン――っと音がした。
振り返ると、蓮がイスから落ちて倒れていた。
「蓮さんっ!!」
「蓮!?」
莉玖と榎本が立ち上がるのは、ほぼ同時だった。
「大丈夫ですか?」
そして、蓮にそう言って手を差し伸べたのは――。
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