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「どうしたんだ?」
「美雪ちゃん?」
僕と北斗が覗き込むと、美雪は僕をジッと見つめた。
「…蓮が笑ってくれたぁ…。」
そう言うと、また美雪は泣き出した。
「…ありがとう。でも、僕は強いから大丈夫だ。」
そう言いながら、美雪の涙が止まるまで手を握っていた。
みんなはただ、動揺していた。
ようやく美雪の涙も止まって、落ち着きを取り戻した美雪は、少し照れながら『ごめんね』とみんなに頭を下げた。
「ホントはね、北斗ちゃんにこの店の事を聞いた時…、もしかしたら蓮の笑顔…取り戻せるんじゃないかって思ったの…。それで…。」
美雪がそう言うと、北斗が美雪の手を取った。
「それなら、ここで働いてみたら?」
「バカ、翼。んな簡単に店長が許すかよ!」
「いや…だが、顔はいい線いっていると思うが…。」
「何言ってるのさ、泰河!僕より綺麗な奴なんていないさ!」
「おいおい、柊馬。それは蓮さんに失礼だろう?」
「ふん、女みたいに華奢なお前には何も出来やしないさ。」
「怜史さん、そこが蓮さんの素敵な所です。」
みんなが僕の意思を無視して、勝手に話を進めていく。
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