過去のキオク

12/35
前へ
/176ページ
次へ
『まじで!!好きだよ千夏!!』 電話の向こうで話す奏太君の声はいつも以上に大きく聞こえて、耳が痛くなった。 悩みに悩みはしなかったけど、だいぶ躊躇って出した答えは『YES』だった。 家に帰って、奏太君の講義が終わったのを予想して夕方にメールで返事をした。 直ぐに電話がかかってきて、ケータイを投げそうになって震える手で通話ボタンを押した。 「声大きいよ!!」 『ごめん…俺、嬉しすぎて死にそう。だから…殴って///』 「殴れないよ!!もう///電話切っちゃうよ!!」 顔が火照るような感覚になって、可愛くないことを言ってしまう。やっぱり私は可愛くない女。 『わっ!?ちょっ待て!!切らないで!!明日の夜、会える?』 明日の夜は予定はない…よね? 「予定ないよ?会えそう」 『じゃあ講義終わったら裏門前にいて!!』 「…わかった//」
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加