円尾坂の仕立屋

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ふと裁縫鋏を見ると黒かった鋏がいつの間にか赤黒くなっていた こんな色だったかしら…? 不思議に思いはしたが錆だろうと思い気にもとめなかった 「やっと終わった…」 華夜は体を伸ばしながら欠伸混じりに言った 外は何やらガヤガヤとうるさく人の叫び声なども聞こえていた しかし 華夜は気にすることなく仕上がった作品を眺めた 様々な色の着物や帯等が散乱している中一際異彩を放つ三つのものがあった
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