円尾坂の仕立屋

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それは… 赤い着物 緑の帯 黄色い簪 それらを愛おしそうに眺めながら華夜は微笑みを浮かべた そして それらを身につけながら華夜は思っていた あの人が会いに来てくれないならば こちらから会いに行けばいい… すっかり三つを身につけた華夜は上機嫌で出掛けた 目指す先はあの人のところ きっと褒めてくれる! だってあの人好みの女になったんだから…! 私…綺麗だよね…? 着いた場所はいつかの橋の上 ついに見つけた愛しのあの人 勇気を出して声をかけた 振り向いたあの人が言った言葉は―
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