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その最中、俺は咲乃と目が合った
咲乃は片目を伏せて、手を合わせた。
その口は“ごめん”とはっきりと言っているのが俺にはわかった。
俺は無理に微笑んで手を返した
―2012/4/27PM9:14自宅―
飯も食べ終わり、咲乃を家まで送り、風呂に入って、部屋に戻ると…
「何してんだよ」
「うん?あぁ、エロ本有んのかなーって思いましてね」
「んなもんあるかー!!でてけっ!!」
部屋のドアを指差し、怒鳴った。
「はいはい、あたしが悪かった。」
「別に謝罪は求めてねーよ!いいからさっさとでて…」
俺が話し終わらないうちにクッションが飛んできた。
ボフッ
「うるさい。」
「なにすん…」
ガスッ
「痛った!」
「次は蹴るよ。」
次はパンチだった。
姉貴は小4の時から高2までにキックボクシングをやっていた
大会で優勝した事もなんかいかある、正直喧嘩になると勝てないのでこれ以上は反抗しないようにしよう。
「で?あんた咲ちゃんとはどうなの?」
「はぁ?なにが」
「なにが、ってあんたら付き合ってんじゃないの?」
「どっから、そんな結論に至ったんだよ。」
「なんだ~、付き合って無いんだ。詰まんない男だね~」
正直イラッと来た。
でも俺は今のままの自分が良いと思ってる訳ではない、彼女が欲しいと思ってない訳でもない。
だが、誰かと付き合おうと思ってる訳でもない。
…結局、自分でも分からない。
「あんた咲ちゃんの事好きなの?嫌いなの?」
姉が重い口を開いた。
「…嫌いではないけど、」
「じゃあ好きなの?」
「それは、あの…」
「あんたねぇ!はっきりしなさいよ!男でしょ!?」
「そんなのわかんねぇよ…」
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