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伯母上は、とても喜んでくださった。 私の顔を見たとたん、駆け寄り抱きしめてくださった。 「お珠、よく来たわねぇ。前に会ったのはどれくらい前だったかしら?前に会った時はまだお珠は小さかったもの。」 「私も伯母上にお会いできて嬉しい。」 伯母上は、華やかな雰囲気を持つ方で、美しくて教養のある、私の憧れの方。 私もお会いできて、本当に嬉しかった。 私達が再会を喜んでいる間に、父上は伯父上に話があると言って、伯父上の部屋へ行ってしまった。 「姉上もお珠も疲れたでしょ?一息いれましょうか。」 伯母上と母上と私。お菓子をいただきながら色んな話をした。 最近、京の町で流行っているもの、絵巻物など、次々に話題が変わっていく。 私が京に着いた時に、父上が好きなものを買ってくださるって仰ったことをお話した。 「お珠は、何を買ってもらったの?」 「この櫛を買っていただきました。」 父上に買っていただいた櫛を伯母上に見せた。 「まあ、見事な。お珠、良かったわねぇ。」 「はい。」 大好きな父上、母上。伯父上、伯母上に囲まれて、私は幸せだった。 その夜、夕餉を皆一緒にいただいて、私は疲れていたのか、早くに眠ってしまった。 私が眠っている間に、事態は変わり、目覚めた時には父上の姿はなかった。 「昨夜遅くに、急に城へ帰らなくてはならなくなって、お一人で帰られてしまったの。」 伯母上は、そう言った。 でも、私にはわかっていた。戦が始まったのだと。 「お珠、私の部屋へ来てくれるかい?大事な話があるんだ。」 伯父上に呼ばれて、私は伯父上の部屋へ向かった。 伯父上の部屋に入ると、母上と伯母上もいらした。 大事なお話とは何だろう。 昨夜とは違う重々しい気を感じていた。 「お珠、今日からお前の家は此処になったのだよ。お前は、私達の子になったんだ。」 「えっ?」 伯父上の言葉が、頭の中で繰り返し繰り返し響いていく。 「伯父上?何故?」 「お前の父上から、養子縁組の話があったんだ。昨夜、お前の父上、母上と私達で話し合って決めたことなのだよ。」 「私は何も聞いておりません。」 何故このような事になったのか。 父上も母上も、何も仰らなかった。 「母上?何故?」 私と伯父上のやり取りを、静かに目を閉じて聞いていた母上は、私の目を見て仰った。
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