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「直ぐに、男捨てるとか…顔だけで…、付き合うとか…。…ごめん…」
俺の顔を見ながら、切なそうに頭を下げられた。
怒るべきなのに、俺は何も言えず…確かに、藍羅は…顔の事ばかりで…俺の、性格とかには…触れた話をしない…。
「…さんきゅうな…」
俺はそれだけを口にし、後は何も…言えなかった。
「祈っ!!別れろよっ!!!」
急に聖斗が俺の肩を掴で、必死に叫んできた。
「なっ!?何だよっ、急にっ!?」
その行動と言葉の意味が、俺には解らずつい声を荒げ叫び聖斗を睨みつけた。
「気付いてんだろ?あの子の性格?…だったら…」
聖斗は俺の心を見透かしたように、苦しそうに声を出しながら肩を掴む手に力が入り、痛みを感じた。
「っ…痛ぇだろっ!!離せよっ…わっ!?」
俺が腕を払うと同時に、椅子から滑り落ち床へ押し倒される様な、状態に…なってしまった。
「んっ…祈…ごめん。だけど、今回ばかりは…折れないよ…」
少し怒った様に、乱暴に吐き出せば、聖斗の顔が近付いてくる。
「んっ―…!!!???」
(なっ!?)
つづく
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