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そして、ゆっくり頭を上げれば、相手を見直した。
「はぁ…だよなぁ…。皆、断られてるって…言ってたしぃ…」
苦虫を噛んだように笑いながら、俺を見てきたのだ。
そして頭をかきながら、解っていたような口振りで言ってくる。
(解ってんなら、告んなよなぁ…はぁ…)
「…じゃっ、そうゆう事で…。」
相手に背を向ければ、軽く手を上げてその場から、俺は歩き去った。
(俺の顔って…そんなに、女顔なのか…)
あれからトイレに行けば用をたし、手を洗いながらふと鏡を見つめて、不思議に思いながら一人呟いた。
「…………解らん…」
鏡を見ていても、一向に理解が出来ず手を拭きながら、トイレから出て家に帰った。
「祈ぃ~、新作!!」
家に帰ったら帰ったで、玄関口まで出てきたお袋の開口一発…。
(またか…しかも、お帰りではなく…)
わざとらしく、ゆっくり靴を脱いで立ち上がればそこに、お袋が楽しそうに笑いながら、女の子向けのプリーツスカートを持って、立っていたのだ。
まぁあ、慣れたけどさぁ…ダチには、見られたくねぇなっ。
「着てっ着てぇ!!」
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