【入学式~番外前編・聖斗~】

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(祈…可愛い…)  ベッド脇の椅子に座り、そっと祈の前髪に触れた。 「…起きろ…、祈っ…いぃのぉりぃっ!」  少し声を荒げ、祈の肩を揺さぶって、起こそうとした。 「…ふぇっ!?…せい…と…?」  祈は驚いた様に、目を覚まし俺を見て、不思議そうな顔で呟く様に、名を呼んでくる。 「そうだよ?…もう、昼だし…」  苦笑いを浮かべながら、祈に告げた。 「んっ…寝すぎ…た…」  祈は目を擦りながら、ゆっくり躰を起こし、ベッドに座り直した。 (…どうしよう…聞きたい…)  倒れた時の、流れた血の事が…気になり、頭の中を支配するように、不安に満ちた顔で祈を見つめていた。 「ん…どうしたよ?」  そんな俺に、気付いた様に、祈が不思議そうな顔で尋ねてきた。「…聞きたい…事が…」 (頑張れ…俺っ!!)  祈の問いに、戸惑いながら口を開いたけど、…勇気が…。 「…うん?どうしたよ…」  少し間をおき、不思議そうに再び、尋ねてきた。  俺は少し動揺し、何から切り出そうか悩み、沈黙を漂わせてしまった。
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