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「はぁ…お前には、話すよ…。」
しばしの沈黙の後、ため息を吐くと、俺には話すと、おもおもしく…口を開いた。
「俺…入学式の後さぁ、家に帰って…兄貴に用事があって…部屋に行ったんだ…。」
少し切なそうに話し出した。
俺は頷きながら、話しに聞き入った。
「…兄貴の部屋の机の上に、…戸籍謄本が…置いてあって…兄貴は…、養子…だったんだ。」
俺は“養子”と言う言葉に、驚きを隠くせずにいたが、平静を装いながら頷き祈の話しを聞き続けた。
「………その時…兄貴帰って来て、…戸籍謄本の事…親に言うなって言われて…その後…強姦まがいに…犯されたんだ…。それから…、兄貴が…気が向けば…俺…やられっ…っ…」
話しの途中、祈は辛くなり泣き出した。
俺は慌てて、祈を抱き締めた。
「ごめっ、もういいから…解ったから、話さないで良いからなっ…」
抱き締めたまま、背中を擦り祈を落ち着かそうと、声をかけた。
祈は小さく頷き、俺の胸元に顔を埋め、声を殺し…泣いたんだ…。
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