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右手に買い物袋。どうやら兄は、お袋にお使いを頼まれたらしく、店にいたのだった。
(全然…気付かんかった)
かくゆう兄も、店を出るときに俺を見かけたのだと言う。
あれ?でも家から、ここは少し遠いのでは?
「あぁ、これだよこれ。」
手に持つ袋を少し広げたので、中をのぞき込むと納豆だった。
実家の近くの店には、無い種類で親父がたまに、食いたくなるのだった。
「大変だね、兄さんも」
兄も仕方ないと言う感じで、少し話し込んでしまった。
「祈…」
帰りが遅い俺を心配してか、聖斗が迎えに来てしまった…。
(あちゃぁ…)
しかも兄がいたので、ものすごく暗そうな顔をし、少し声も低くなっていたと思う。
とりあえず聖斗に荷物を持たせ、兄に小さくごめんと誤り、兄は自分が悪いしと言いながら、帰っていった。
「お前ねぇ、もう気にするなよ。兄貴あれで、すげぇ気ぃ使ってくれてんだぜ?」
俺達は会話の無いまま、マンションに戻り。キッチンで食材を袋からだしながら、少し呆れ気味に話しをした。
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