583人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
「…なんでも…ないよ」
顔も上げず少しこもった声が聞こえて、ゆっくり近付いてベッドに腰を下ろした。
まぁ思い付くところは、無いわけではない。
「そうか?」
(やっぱり…持たないかな…)
聖斗は兄との事件以来、あまりしようとしないのだ。気づかっての事なのか、しても前戲が長い。
優しくしようと傷付けまいと、しているようで…。
(物足りなかったんだよなぁ…)
布団の中から、出てくる様子がないので、俺から潜り込んでみた。
「わぁっ!?いっ祈っ、どうしたの?」
腹に腕を回し抱き付いて、密着してみたのだ。
驚く聖斗は、必死で平静を装っているようだ。
(驚いてる驚いてる)
「んー…、抱き付いてるんだけどぉ」
何気ない素振りを装い、背中に擦り付きながら呟く。
「そっ…そぅ。」
心臓の音が背中から、耳に伝わって鼓動が早く、心拍数が上がっていってるようだ。
(可愛い奴…今日は俺から、攻めてやろうかな)
抱き付いたまま、腹の辺りで手を動かして、右手で胸元を探り、左手を下へ伸ばし。
俺はだんだん楽しくなってきて、いつもしてもらってるように、攻めようとした。
最初のコメントを投稿しよう!