【偽りの兄弟】

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 あの日…兄の部屋なんかに、こなきゃこんな事になんか、ならなかったのに…。 「入れるぞ…」  適当に中を、掻き回した後俺は、後ろへ倒された。  兄は何時も、あまり慣らす事をせず、半ば無理矢理俺の中へ、入れる。  部屋が汚れるのが嫌な兄は、いつも俺を倒した下にバスタオルをしいているのだ。 「声…出すなよっ…」  自身を蕾へ押し当てて、一気に奥まで貫かれる。 「ぐっ!!…んっ…」 (痛ぇっ!!)  歯を食い縛り、引き裂かれるような痛みを、拳を握りながら俺は、必死に耐えた。 《一年前俺は、兄に用事があって、部屋に入ると…出かけているのか、部屋には兄の姿は無く。  何気なく机の上に、置かれてある一枚の紙を、手にとって見てしまった。 『戸籍…と…うほん?…!嘘っ!?』  その紙は、兄の戸籍謄本で…兄は養子だったのだ。 『なにやってっ…!?見たのか…?』  兄が部屋へ戻って来て、俺の様子を見れば少し睨むような目で、言ってきた。  その顔が、怖くて小さく頷きながら、少し後退った。 『言うなよ…親父達に…』  言いながら、ゆっくり俺に近付いてくるが、俺は足がすくんで、…動けずにいた。
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