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命の火が消える。
闇の淵から戻ったとばかり思った一也の呼吸が前触れもなくまた途切れた。
「かず、や?」
うそだろが、一也。
戻ってきただろ、たった今!
「一也!」
胸に掴みかかりまだ温かい肌に触れる。
認めない。
絶対に認めない。
このままいなくなるなんて許さない。
「頼む、一也っ!」
顔を伏せると汗が頬から滴った。
指が震える。
まだ体は温かいのに次第に冷たくなっていくなんて。
ポタッ
「……一也」
死ぬなんて許さない。
目の前で失う痛みに押し潰される。
誰か、誰か、誰か!
俺たちの絆を、
希望を、
失わせないでくれ!
「かずやあぁぁぁっ!」
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