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気を紛らわすために鞄からペットボトルの水を出して、大量に口に含む。
そうこうしている内に、ざわついていた程度だった室内が、ガヤガヤとうるさくなってきた。
「皆さん静かに。
まだ履修変更も出来ますし、ひとまず説明だけさせて下さい」
そこへ来て口を開いた講師の眉尻は、完全に下がっていた。
そのわりには、大して困った様子はなく。
講師にとって、生徒たちのこの反応は想定内だったのかもしれない。
その後はプリントの内容に補足程度の説明が続いて、気付くと、授業開始から三十分が経っていた。
「説明は以上です。
質問等ないようでしたら、次回からも履修する人のみ、残って下さい」
講師のその言葉を皮切りに、静かだった教室が一気に騒々しくなる。
――大勢の人が出て行こうとする中、私の目に入ってくるのは、前の席で伏せている二人の姿。
二人は、少し前からこうして揃って眠っている。
これだけ騒がしくなっても起きないところを見ると、よほど深い眠りについているらしい。
……起こした方がいいのだろうか。
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