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  「じゃあ、ここはこの三人で組んでもらっていいかな?」 結局残ることにした私と、つい先程起き上がったばかりの二人のもとに、講師がやってきた。 寝起きで状況についていけてない二人は、きょとんと首を傾げている。 講師はそんな二人を見て小さく笑った後、さっき教壇で話していたことをもう一度繰り返した。 「この授業はグループごとに受けてもらうので、今はグループを決めている所なんですが。 そのグループを、この三人で組んでもらってもいいかな? ということです」 この説明を聞くのは二度目だけれど、実は私も状況を飲み込めていない。 もっと近付けるかも、と思ったのは私だけど。 ……まさか、こんなにも早くきっかけが出来るなんて。 呆然としたまま何も言わない私達三人を前に、講師が苦笑いしているのが見えた。 「とりあえず、この紙に学生番号と名前を書いて提出して下さい。 今日はそれで終わりですから」 私の机にA4半くらいの紙を置いて、講師はその場からいなくなってしまった。
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