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  「うそっ! 次の政治学、誰も取ってないの?」 昼休み。 いつものように学食に集まって昼食をとる私たちのテーブルに、私の声が響いた。 「だってあの授業、めちゃくちゃ面倒くさいって有名じゃん。わざわざ取らないだろ」 「あー、あのやたら課題多くてレポート難しいやつねー。私も絶対取りたくない」 「そーなの? 千絵は単に政治興味ないからパスだったんだけど」 俊太郎、瑞希、千絵の発言に肩を落とす。 一年の時から、私たちは事前に相談して時間割を組んでいた訳ではない。 それでも、どういう訳かいつも誰かと被っていたから油断していた。 俊太郎と瑞希曰わくめちゃくちゃ面倒くさそうなその授業を、一人で選択してしまうなんて。
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