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ごめん、嘘。やっぱりスッキリしてない。
だってさぁ、ふと何となく前を向いて歩いてたら俺の携帯をみながら、嬉しそうにしてる女がいるんだぜ?
そりゃ、チンピラ一匹片付けたぐらいじゃ、スッキリしないわな。
ま、幸い、携帯にはロックをかけておいたから、仲間(政府側からいう犯罪者)の情報はばれないと思うが……。
「よいしょ」
俺は能力をあれこれ駆使して、結構あった距離を一歩で近づく。
「へい、そこの嬢ちゃん、殺らないか?」
「へい、そこの兄ちゃん、殺ったろか?」
1秒、間が空き、両者の拳は混じり合う。
素晴らしいことに、どちらも動じず、一歩も引かないかと思いきや、女が持っていた俺の携帯が鳩尾にヒットした。
「ごぽぉ、痛いでござる」
「女子に手をだす方が痛いでござる」
「寸止めしたでござる」
「かたじけない」
次の瞬間、俺の鼻にさっきの携帯が突き刺さる。
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