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「お前ら何してんだよ。能力者は頭おかしい連中ばかりなのか。それとも俺の知らないうちに常識は崩壊しちまったのか?」
一寸の狂いもなく鼻っ柱に携帯を投げ込んだ見知った男は呆れたようにため息を吐いて、まるで影の中から這い出してきたようにいつの間にか現れて路地裏の壁に背を預けて佇んでいた。
20代後半だろうその青年は唇の片方を吊り上げて歪な笑みらしき表情を形作る。
笑いたいのに無理やり顔の筋肉が笑うのを拒否しているような表情だった。
「リーダーがお呼びだ。さっさと来い阿呆ども。」
罵倒しながらこちら側に背を向ける。
女がソイツに向けて跳びかかるが、それに応じて振り向かずに繰り出した肘が鳩尾に突き刺さっていた。
痛みに蹲る女の足をつかみそのまま引きずっていく男のあとを追って行った。
ああはなりたくないし。
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