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2012年―――
世界は第三次世界大戦が起こることもなく、地球温暖化による異常気象で壊滅することもなく、いつもと変わらなかった。
だが………
―――――――――――――――
人が1人ようやく通れる狭い路地を全力で駆け抜けていく。
何から逃げているのか、何故追われているのか、それすらもわからない。
それでも全力で路地を駆け抜けていく。
ふいに背後で爆発する音が響く。これで何度目の爆発かわからない。
警察や消防は何度も爆発が起こっているというのに何をしているのだろうか。
爆風で破壊されたビルの破片が銃弾のように襲いかかってくる。
爆風に背中を押され、前に転けてしまう。
背中に焼けるような痛みが走る。
爆風に押されたとき、ビルの破片が突き刺さってしまったのだろう。
倒れている俺に向かって嘲るような声が降りかかる。
「ほらほら、もっと無様に背中晒して逃げ惑え!!」
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