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「……」
俺は奴の挑発に乗らず、一目散に逃げる。
あったく、面倒なものだ。こんなこと。
「あぁ? ビビって何にも言えねぇか? ハハッ!!」
後ろを見ると、奴はどこに隠し持っていたのだろうか。ナイフを手にし、更に俺を追うスピードを上げる。
だが、俺はそれと正反対に脚を止める。
数秒すると、必然と、その不快な音は聞こえてくる。
―――――――――――――――
俺は――の背中をナイフで深く刺す。
だが、――はぴくりともせず、ただ、ただ、立っている。
「はん、立ったままショック死しちまったか?」
だが、――は俺の期待を裏切り、狂気の笑みを浮かべ、ゆっくりと振り返る。
「お前は俺に確実に勝てない。絶対にな」
ふざけている。
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