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口の中に溜まった血を爆発でめちゃくちゃになった汚れた路地に吐き捨て、振り返る。
「まだまだ……だ」
信じられない。よく意識を保っていたものだ。
親友は腰を引き股間をおさえながら壁に肩をつき、フラフラと立ち上がる。
今にも倒れてしまいそうな青い顔で目は虚ろ、膝はガクガクと笑っている。
「おいおい…やめとけよ。今のお前じゃ能力が暴走しちまうぞ」
「るせぇ…お前を殺せと命令が下ってるんだ。俺の命と引き換えにしても―――」
言い切らないうちに近づき脇腹に蹴りを入れる。
これが心の狭い俺の最大限の優しさだ。
さっき止血した背中からは血が吹き出すが、奴も背中から倒れ白目を剥いて意識を失った。
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