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「ん・・・・」
ふと目を覚ますと辺りは真っ暗だ。どうやら気を失って長い時間が経ったらしい。
「ふむ。背中は・・・・しっかり治ってるな。筋肉の動きも問題ないようだ。」
相変わらずな自分の肉体の再生力に呆れながらも自分の所持品をチェックする。
「携帯・・・・無い。音楽プレイヤー・・・・無い。財布・・・・無い。」
フフフフ・・・・そうかそうか。
他人の寝込みを狙って盗みを働く奴がいるのか・・・・
「許さん・・・・」
ネズミ狩りの開始だ。
何はともあれまずは情報収集だ。
丁度いいところに頭の悪そうな金髪頭の男が携帯片手に歩いている。話を聞いてみよう。
「すまない。少し話しを聞きたいのだが。」
「んでさぁ・・・・」
男は俺を無視して携帯で話をしている。
ふむ。このような馬鹿には教育が必要だな。
とりあえず男から携帯を奪う。
「あ、オイ!テメェ何してんだよ!返せや!ヤっちまうぞ!?」
「声をかけているんだ。無視は無いだろう。無視は。」
「テメェ何様だ!?偉そうに説教垂れてんじゃねぇ!」
そう叫ぶと男は指輪を嵌めたゴツゴツとした手で殴りかかってくる。当たれば相当痛いだろうな。
まぁ、当たればの話だが。
明らかに素人だと分かるテレフォンパンチを俺は腰を軽く沈めてかわす。
伸びきった腕とガラ空きの胴体。俺は伸びきった腕を抑え付けて胴体に軽く肘を叩き込んだ。
「ウボォア・・・・!」
「さて、これで話を聞いてくれる気になったか?」
胴体に肘を食らった衝撃で目を白黒させる男に向かって俺は笑みを浮かべながら問いかけた。
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