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「…ふう、できた」
笹嶋あんずの依頼した相手の診断結果をまとめ終わり、千鶴はひと息ついた。
結果はあまりいいものではなかった。
笹嶋あんずの依頼した人…他校の生徒なのだが、その人の色はあまりいいものではなかったのだ。
色のどのようなところで善悪を判断するのかと言うと、「濁り」である。
心の綺麗な人は黒色や暗い色でも澄んでいてわだかまりのようなものが少ない。反対に、悪意を多く持つ人は白色であろうと淡くて綺麗な色を持っていても濁りがある。
今回の相手は明るめのブラウンなのだが、とにかく濁りがひどかった。元来の色が綺麗だから、傍目から見れば「よさそうな人」なのだが。
その人の大部分を占める「主色」は性格を表す。
赤系なら情熱的、とか単純な所から、細かい色の成分を感じることでその人の持つ長所短所というのが大体わかる。
それに「濁り」、それから「副色」といってその時その時の感情などを表し、主色の周りを取り巻いている色などで今のその人の状態というのが分かる。
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