第一章

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くりっとした、大きな二重まぶたの目が、真剣にこちらを見つめている。 「では、その人の顔が写った写真なんかは、持っていますか。」 私がそう尋ねると、彼女はこくりと頷いた。 通学カバンから取り出した携帯のフォルダから一枚の写真を見つけ出し、開いて見せてくれた。 「あの…こっそり撮ったので、あまりちゃんとは写ってはいないんですけど…」 甘く揺れる声。 男なら誰もが可愛い、と思うような。 愛らしい目と声を持つ、とても可愛い彼女に良い評価を下せないのは、決して自分の性格が悪いからではない。…多分。 と言うのも、依頼の内容が内容だからである。
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