第一章

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主に依頼を受けるここ…第二放送室は防音になっているし、なにしろ「第二」なので人の出入りがほとんどない。 だからちづるは結構気に入っていた。 ちづるの通う羽山高校は、なんというか…無駄に広い。 ひとつひとつの教室も中学に比べて広く感じるし、何より空き教室の数が多いのだ。 昔はもっと生徒を多く採っていて、部活も同好会も沢山あったそうだ。 放送部も「放送部」と「放送同好会」で分かれて放送時間を奪い合っていたとか… 今はひとつなので、この第二放送室が余った、ということだ。 よくわからない変な部活やなんかもあったらしい。 「色鑑定部」なんてのも、あったのかも。いや無いけど。 みつきが去ったあと、少ししてドアがノックされた。次の依頼者が来たようだ。 「あのぅ…佐藤千鶴さん、ですよね?」 私はにっこりと笑ってそれを出迎えた。
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