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「翔ちゃん。何か嫌なことがあったんなら私聞くよ?わ、私…っ、翔ちゃんのこと好きだもん…!だから…っ」
「嘘つくなよ」
はは、と乾いた軽い笑いが漏れる。ユラリと明日菜に目線を合わせると、明日菜は言葉を失ったように戸惑っていた。
それさえも今は嘘に見える。
完全に何かが切れていた。
ふざけんな。俺を好き……?
夕方別の男とデートなんてして楽しそうにしといて何言ってんだ。
あぁそうだ。昨日言ってたはるとって夕方の奴じゃねぇのか?
「なぁ一つ聞くけど夕方お前誰といた?」
突然の俺からの問いに戸惑いつつも明日菜はちゃんと答える。
「夕方…?…っあ、春斗のこと?」
「………っ」
やっぱりな。
俺は思わず目の前に明日菜がいることも忘れて一人不気味に口角を吊り上げた。
明日菜が不安そうな声で俺を呼ぶ。
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