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なんだよ。じゃあわざわざここに来る意味なんてねぇじゃねえか。つーか何で来てんだよ。はるとんとこ行けばいいじゃねぇか。
明日菜の戸惑った声をBGMに口角を上げていた俺は、そこではた、と気がつく。
…そうだよ。はるとんとこ行けよ。何でここに来てんだ。
「翔ちゃん……」
顔を上げれば今にも泣きそうな明日菜と目が合った。
一瞬チクリと胸が痛んだ気がしたが、今の俺はそんなことに構っている暇はない。
「明日菜。お前のそれは家族の好きだよ。俺にはわかる」
「………っ!ちがっ」
「違わねぇよ。だってお前、俺といるよりはるとって奴といる方が楽しそうだったじゃねぇか」
俺の言葉に明日菜は口をパクパクとして、それ以上言葉が出ないようだった。
ほらな?決まりだろ。
「お前は俺への好きを恋愛だと勘違いしてただけだよ。」
ついに明日菜は俯き黙り込んでしまったが俺は言葉を紡いでいた。
あれ…何で俺笑ってんだ?
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