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「え、何。お前シスコンだったわけ」
「違うわボケ」
痛ってぇ、なんてほざく同僚をさらに睨みつける。ざまぁみろ、俺をシスコン呼ばわりするからだっつの。
すぐに肩を竦めた奴に俺は話を続けた。
「ったくあいつの恋愛なんざ俺の知ったことじゃねーってのに何でこうも気になるのかねぇ。」
途中で買った缶コーヒーをふくみながら、俺はまた無限ループに戻る。
そのうち、はぁ、なんて溜め息まで出てくる始末。なんだぁ?俺ってば意外と妹の彼氏疑惑にショック受けてんのか?
てことは、まさかの俺シスコン疑惑?オイオイ勘弁してくれ。それは何かマズイだろう。
「お前…それって」
「あ?」
「いーや?何でもねぇよ。ま、せいぜい悩めや、お兄さん。」
「てめっ…!」
どこか面白そうに笑ってくる俺の悪友はこれから彼女と待ち合わせとかで、それだけ言うとさっさと逃げやがった。
クソ、リア充め爆発しろ。
ったく、あいつに相談した俺が馬鹿だった。あー気分悪い。
「ライターライター…っと、あ。」
明日菜発見。
あいつ今から帰んのか?あ、いや俺んとこか。あいつん家こっちじゃねぇし。
ちょうどいい。買い出しついでに一緒に連れて帰るか。
思い立つと一緒に、俺はくわえていた煙草を揉み消し、明日菜の方へ足を踏みだした。
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