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小さな照明しかない、通路と言うには少しだけ広い、薄暗い道を私は歩いていた。
何匹かの蝙蝠と思われる物の声がキィキィとこの場所に響いている。
どこかで水滴が落ちたような音も聞こえていた。
どこかに結露による、水溜まりが出来ているのか。
……実に耳障りだ。
この場所は、本当に酷く陰鬱で、私の癇に障る。
全てを破壊したくて仕方が無い。
いや、それは、私が『私』と言う存在に対して想っている事、そのものなのかもしれない。
だが、今日で全ては変わる。
今日で今までの人生の全てが。
私はすぐ先の未来に胸を躍らせて、目の前の人間に声をかけた。
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