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小さな照明しかない、通路と言うには少しだけ広い、薄暗い道を私は歩いていた。
何匹かの蝙蝠と思われる物の声がキィキィとこの場所に響いている。
どこかで水滴が落ちたような音も聞こえていた。
どこかに結露による水溜まりが出来ているのか。
私はそんな音の発生源を思い浮かべると、ぼんやりとした頭痛を振り払うように首を回した。
コキリという、小気味の良い音を確かめると、ポケットに忍ばせていたリモコンのケースを取り出し、これから始めなくてはならない出来事を思い浮かべた。
ここは大昔に閉鎖された鉱山の一部である。
莫大な資産を手に入れた私が密かに買取り、幾度かの「面倒ごと」に決着を着けるときの場所として使っていた。
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