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「面倒ごと」とは「敵」のことだ。
人間、生きていれば誰しも敵を作る。
かつて、仲間や恋人だった人間でさえも、状況の変化や判断のミスで敵となりうるのだから、実に厄介だ。
それらは気づかずに放置してしまうと巨大化し、さらには新しい敵までもを生み出してしまう。
だから、敵などは発見次第に潰すべきなのだ。
そこに慈悲の心は一切必要ない。
一時の優しさや迷いは、いずれ自分を殺すことになる。
雪だるまは小さいうちに溶かし、大火事になる前に火種は消すのだ。
強者とは、そうした厄介ごとを迅速に処理し、葬り去ることの出来た者の呼び名だと、私は思っている。
だからこそ、私は自分のことを成功者だと自負しているし、若くして成功した勝利者とよく揶揄されたりもするのだ。
私はそれを想うと、吸っていたタバコの火を地面に押し付けて消し、目の前の少女に目を向けた。
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