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十五歳か、十六歳か。
思春期真っ盛りと言った年齢だろう。
だが、視線を変えると、痩せ衰えた貧相な身体が私の目に映った。
ロープで身動きの取れない状態になっているようだが、その必要も無い印象を受けるほど衰弱している。
あれでは拘束されてなかったとしても、動くことは困難だろう。
猿轡はかませていないが、少女は私を目にしても声を上げようとはしない。
怯えているのか、それとも地下にあるこの場所がもたらした冷えなのだろうか、その華奢な身体は小刻みにずっと震え続けていた。
私は声をかけ、近づこうとしたが、臭気が鼻を突き、足を止める。
少女は地面に尿を垂れ流していた。
どうしようもない不愉快さを感じたが、その尿は今し方流れた物ではないのだと言うことに、同時に気づく。
おそらく少女は、昨日からずっとここで身動きの取れない状態になっているのだろう。
きっと我慢できずに垂れ流したのだと、そう思う。
いや、良い。
とりあえずは、 この厄介ごとを始末してしまおう。
「まず、君はどうやら私の『敵』であるらしい」と、私は少女に説明を始めた。
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