番外編6

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……… 空気が固まる。 ……コイツ、何で今………? 流石に面食らい、言葉を失う。 同様にまん丸の目をしていた斉木の顔が『ボンッ』と音がしそうなくらいに真っ赤になった。 亜由美が両手を合わせて口に当てて、ニヤニヤしながら事の次第を興味深そうに眺めている。 「嫌?」 微笑みながら斉木の顔をのぞき込む。 これ以上は赤くはならないだろうと思っていた顔が更に赤くなる。 「…そっ!……そんな…訳ない………。」 泣き出しそうに下を向く。 「……亜由美。行くぞ。」 甘ったるい雰囲気に耐えきれず歩き出す。 「え~ー………」と後ろで心底残念そうな亜由美の声が聞こえたが、構わず帰路を進む。 その後、二、三あのバカップルと言葉を交わしたらしい亜由美が慌てて追いかけてきた。 俺の顔を下から覗き込み「寂しくなっちゃうね?」と曰った。 俺はあの二人の保護者じゃねぇ。 「…私がいるでしょ?」 と笑顔の亜由美と目が合う。 右手に息子を抱え直し、左手を差し出す。 荷物がやってくるかと思ったら、亜由美の右手で。 フフフ と笑った亜由美をチラリと見て、 まあ、いいか。 と思った。 完
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