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「ねぇ…なんかおもしろい話して」 私は呆れた顔を彼女に向けた。 「…変な顔」 両手で頬杖をついて、ほっぺたのお肉が上がっちゃってる顔を見下ろした。 日曜のランチの喧騒がとっくに過ぎたカフェで、いい歳の女が二人、コーヒーで粘る図ってどうなんだろう? 変な顔の彼女は、私の言葉を気にすることなく言い放つ。 「つまんない」 じゃあ、なぜ私を呼んだ? 私は盛大なため息をついて全面ガラスで隔てられた街を見た。
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