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彼女、沢村江里とは今の会社で新卒の同期として知り合った。 同期二十数名いる中で、何故か懐かれ、七年経った今でもこうして関係が続いている。 「私、明日の会議の資料まだできあがってな…」 「ヒロさぁ~」 …私の話なんか余裕で遮る。 「人生つまんなくない?休日の朝に友達に呼び出されても空いてるなんて」 ……。 江里はまじまじと私の顔を覗き込む。 確かに、…確かに給料日後の最初の日曜日に何の予定もなかった。 それが、あまりに自然なことで、改めて言われるまでこれっぽちも寂しさを感じもしなかった私って終ってるのかもしれない。 「江里こそ、彼氏は?」 とっくに温くなったコーヒーを啜りながら、少しふて腐れながら聞く。 長いストレートの髪を手でもてあそびながら、「出張」とだけ答える。 日曜までも出張なんて大変だなぁ 江里の彼氏って何関係の会社だっけ? そんなことを思い巡らす。 「だから、来週はめっちゃ高い飯食わせて貰う」 江里はふふんと鼻を鳴らす。 どうやら、ドタキャンだったようだ。 私と出会った時にはすでに今の彼と付き合っていて、学生の時からの付き合いだと言う。 入社当時は散々惚気話を聞かされたものだ。 年下だと言う彼氏が 「可愛くて堪らない」 そんなことをよく言っていた。 今でこそ、落ち着いてはきたが、彼女から聞く様子では上手くやっている様だ。
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