69人が本棚に入れています
本棚に追加
私が止めるのも聞かず、あっという間に通話ボタンを押す。
彼女には「躊躇」と言うものがないらしい。
「あっ川島?今からガールズトークしに来ない?」
『どこにガールがいるんだ?』
間髪入れずに川島の声が江里の携帯から漏れ聞こえる。
「来るって!」
江里が私に満面の笑みを向ける。
今のやりとりにその要素は無い気がしますが?
『斉川か?いるんだな?替われ。』
どうやら、私がいることに気がついた様だ。
苦笑しながら携帯を受け取る。
『江里をちゃんと制御しろよ。』
ははは。
私には無理っすよ。
「亜由美ちゃん、気分悪いよね。ごめんね。」
江里の「携帯よこせ」と出す手を押しやる。
『悪いことはない。お前らは女にカウントしてないから。』
おいおい。
「ハイハイ。お邪魔さまでした~」
携帯を切りながら、江里に返す。
これでもかっ!と言う程にほっぺたを膨らませて、携帯を受け取る。
この歳になってその顔は痛いよ。
「あ~あ、ヒロに浮いた話でもあれば暇潰せるのに~
」
「…私の恋愛を娯楽にしないで…」
最初のコメントを投稿しよう!