偶然は突然に

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女生徒の手首を掴んでいた不良――金髪ピアスが見下すような目で俺を見据える。 「つまりなんだ。てめぇも俺に喧嘩を売ってんのか。てめぇみたいな生意気な奴をこの学校で5人はシメたんだぜ」 「その5人の名前を挙げてみろよ小便頭」 「謝ったほうがいいぜ。俺達には仲間が30人いるんだ」 と金髪の横で腰パンの不良が俺を脅す。 「30人連れてきたら謝ってやる。それと腰パンしててもお前の短足は全然カモフラージュ出来てないぞ」 「殺すぞ!」 さらにその隣の茶髪の不良が怒鳴る。 「怒鳴るなよウンコみたいな髪色しやがって。紙がないから髪で拭いたのか? なんてな」 俺が笑うと、連中はよっぽど頭に来たらしい。雄叫びをあげながら俺に突っ込んできた。 「下がってろ!」 後ろにいる女生徒にそう叫び、俺も連中に突っ込んでいった。
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