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「……それで、答えは出たか?」 パチパチと小さな燈の音が聞こえる部屋の中、麻宮が尋ねる。 執務をこなす麻宮の手元に茶の入った湯飲みを置き夜儀は小さく答えた。 「……また、そのご質問ですか?話を逸らすのはお止めください。……答えは『まだ』です」 「……そうか」 クスリと笑うと、湯飲みに視線をおとす。 「……それで、いつお前は答えを出すのであろうな?」 「………解りませんね。それまでは、麻宮様に精一杯お仕えさせて頂きます。」 少しだけ、夜儀が表情を柔らかくすると麻宮がニヤリと微笑む。 「答が出たら、我の元をさっさと去るか。何とも薄情な部下よの…」 「…っ!ま、麻宮様っ!!だ、誰もそのような事は…。というより、話を逸らさないで下さい!…全く、少しはお休み下さい。……休憩も仕事のうちです」 麻宮のからかいに頬を紅く染めると、それを打ち消すように大きな目で睨む。 その様子を見てかクツクツと喉を鳴らすと、麻宮は湯飲みを手に取った。 「…お前には敵わんな。言う通り少し休む。……お前ももう休むが良い。明日の業務は視察であろう?」 「……はい。では、ちゃんとお休み下さい。……一刻過ぎても燈が灯っていたらまたお茶をお持ちしますからね?」 ピシャリと告げると、頭を下げ退室する。 と同時に部屋からまた喉を鳴らす笑い声が聞こえた。
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