出会い

13/13
前へ
/112ページ
次へ
天使界を無事に抜けた二人がまず向かった先は… 真っ暗な亜空間の中、レインに手を引かれリイナは門の所まで連れられてきた。 どこを見ても、漆黒の闇…… なのにレインと一緒のところは明るくて リイナは自分の無力さを感じる他なかった。 「よう、レイン!」 右手に赤い布。 それは、門番の証……。 身長は優に2mを超えてるほどの大男。 「あートミー、門を出たいんだが手を貸してもらえないか?」 その言葉に、門番をしていたトミーが目を見開いた。 「まあ、門番は逃亡者の成れの果てだしな。手伝ってやるよ!」 「ありがとう…」 レインの感謝の言葉に恥ずかしそうにはにかんで トニーはレインと手を門へと宛がった。 トニーはチラリと、リイナを見やり溜息を付く。 「天使誘拐かよ」 「違う…」 二人は小さな声で話をぼそぼそとしているが、リイナは追われているのが気になる。 この場所から逃れるには レインに付いて行くしかないのだが、そのレインが今度は処罰を受けるのでは? と言う疑問が生まれる。 ギギギ・・・ィ 男二人掛で、門が開いた先は 悪魔界への道… 門から一本の道が真っ直ぐ伸びていて、その先が闇に包まれて見えない。 リイナはフルッと身体を寒気から守るように抱き締めて身震いをする。 「さ、行くよ…」 差し出された手を、リイナはおずおずと掴んだ。 「いいかい?」 「…はい。」 二人が門をくぐると扉が自然に閉められた。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加