出会い

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「きゃっ!」 腕が掴まれ、驚いた子天使が声を上げた ゆっくり開かれていく左の瞳は何よりも深い赤 そして右目は何処よりも澄んだ深い青…。 相対の目に、ドキリと胸が高鳴った。 左右の色が違えば、自然と変な感覚になるものだが 彼の目はそれとは違う…きっと、限りなく深いから。 黒に混ざった赤と青。 「誰だ」 声はまだ、幼い… 「リイナ・スカーレット」 「良いのか?名を…言ってしまっても」 コクリと頭を上下させる。 相手に自分の名前を告げるのは、 目上の人か自分の信頼の置ける天使 子天使はそれ以外は名前を口にしてはいけないのだ 名は、霊力を蓄えるものそれを口にすることは相手にも霊力を渡す事でもある 「ここは?」 「天界です…」 「…助けて、くれたのか?」 「ええ…川から流れてきたの。」 「へぇ。」 堕天使を助けるなんて、変わったヤツだと言う。 悪魔の黒の装束に、天使の十字架のペンダント 彼は何処からやって来たのか等聞かずに解る 右手に赤くボロ布が巻かれている。 それは、異界の門番のものなのだと、リイナは文献を思い出していた。 だが、今までに見た事もない黒 …そして その言葉も、動きも、子天使リイナの心を奪うだけには十分だった。 「堕天使様…」 「様なんてもんじゃない、レインでいい」 「レイン?」 「レイン・バスタードだ」 「じゃ、レイン…もうすぐ天使会が動くと思うの」
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