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その大天使達に連行され、
いつも見るだけだった大宮殿へと足を踏み入れた。
自分の家が何個入るのか…などと考える無邪気なリイナに
兵士の一人が小さく呟いた
「後に裁判ですから、承知しておきなさい」
そこまで大罪なのだろうか?
怪我をして倒れていた彼を手当てした事が…
きっと、リイナの心が奪われた事の方が大罪なのだろう。
牢獄へと入れられ、羽根が濁る。
こうやって罪を重ねると堕天使となるのだ。
「私も…堕ちるのかな?……」
彼は悪くない。
自分が羽根を濁したのだ。
清らかな羽根は、ゆっくりと灰色がかって心に
混沌が生まれる。
「綺麗なままで居られるのが素晴らしい事だとは思わない…」
リイナがふぅと溜息を落とすと、月が見える鉄格子を見上げた
きっと、今頃彼を探して大天使たちが警戒態勢を取っているだろう
うまく逃げて欲しいと願いながら
月を眺める。
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