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至極もっともなことを言われて、反論できない
「……ないけど、その行程の最後から二つ目がなければ、より良かったんだけど」
「お腹空いちゃうだろ何言ってんだよ」
まぁお前はそういうやつだよな、とぼやく比野から徴収したハムをフォークで器用に丸めてもぐもぐと食べ始めた志度に続いて、比野もカレーっぽい味と色合いレーションを食べ始めた……この非常食、間違いなく味よりもコストパフォーマンスを優先していると巷で有名な品柄で、食感は魚の煮つけである
「……ふぅ、そういえば昨日のニュースラジオ聞いたか?」
「ん? いや僕は赤頭巾ちゃん聞いてたからニュースは聞いてないな、何かあったの?」
ハムを美味そうにもそもそさせ終えた志度もラヂオを持ち込んでいたらしく、昨晩聞いたというニュースの内容を語りだした
「それがさ、"元某党幹部が語る! ~我々の抱くテロリズムへの誤解~"とかいう、なんか加齢臭がしそうなおっさんの声でそれっぽくテロ活動と売国奴政党を絡めて正当化する話をしてたんだよ」
「あー、とうとうラジオまで浸食してきたのか」
「彼らは偉大なる革命家であるとか、ここ一、二年では日本での活動は確認されておらず、故に彼らに害も罪もないとかよくわからないこと言ってたな」
「で、僕らがその手の輩を駆除するために出動した回数は先月だけで?」
「五回だな」
「その内、AMWを持ち出すことになった作戦は?」
「五回だな」
「ちなみに報道されたことは?」
「一度もないな」
「日本での活動は確認されておらず、故に彼らには害も罪もない(キリッ」
「はっはっはっはっはっ!」
「はっはっはっはっはっ!」
笑えない
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