#1 機士科のお仕事

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沖縄某所 午前8時頃 陸上自衛隊駐屯基地 志度、それは軟骨じゃなくて輪ゴムだ噛み切れない……心視、辛子明太子とかずのこは微妙にっというか大部違うぞ、でも両方食えるか……あ、駄目だ心視は辛いものが―― 「はっ」 うつらうつらと意識が夢心地だった比野はいけないいけない、と頬をぺちぺち叩いてどうにかして意識を目の前の髭面部隊長の朝礼――という名のただの雑談に向ける。実を言えば、始まるや否や居眠りを始めていたりする。なにせ、部隊長が出てきたところから何も覚えていないのだから間違いない 「比野って本当に寝るの好きだな」 「目覚め方が最悪だったからさ……腹減ってるから余計に眠いよ」 「普通、それは満腹だった場合じゃないか?」 起こしてくれればいいのに、今の今まで横の席で比野の睡眠を見守っていた志度が、寝起きの比野の脇腹を肘で小突いた。同時にそこで腹からグゥ~と異音 食パン数口と得体のしれないレーション少量で保せられるほど、比野少年の胃袋は低燃費にはできていない。食べ盛りである 「うん、ほら僕は普通じゃないからな」 「小隊の中じゃ剛さんと合わせて一番まともですって顔してる癖に良く言うぜ寝ぼすけめ」 と、暗に自分はまともではないと自称した志度が言うが、なんだかんだ言っても部隊長の催眠攻撃が効果覿面で眠いらしく、会話の端々で猫のように顔をゴシゴシ擦っていた。その仕草が妙にフィットしていて、見た目だけならとても比野と同い年とは思えない これで僕と同じ身長なんだよなこいつ……あ、僕が小さいだけか……なぁに成長期はまだまだこれからだ…… 一人自分のコンプレックスと向き合っていると、自分から見て斜め右前の座席で膝に手を置き背筋をぴんっと伸ばして部隊長の爆発物に関する凄まじくマニアックな知識自慢を真面目に聞いていた唯一の人物が、比野を横目で睨みつけていた
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