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それからしばらくして部隊長が速足で多目的室に戻ってきた
「あー、ちょっと緊急事態が発生したので今日の朝礼はこれで終了とする。各自、今日も元気に勤務に励むように、以上――と、その前に呼び出しがある」
呼び出しがある――と言っているにも関わらず、比野ら五人を除いた自衛官達はようやく終わったとばかりに続々と席を立ち、自身の持ち場へと移動していく……頑張れよと事務仕事担当の男性に肩を叩かれたりする。いい気なもんである
その喧騒の中、部隊長はちょいちょいとこちらに向けて手招きした――ああ、本当にいつものパターンだ……と空いた最前列へ剛がそそくさと移動、続いて宇佐美さんはその横に、そしてその後ろに比野、志度、心視と横に並んだ。いつもの並び順である
「うむ、特務隊の五人だけこの後ミーティングがあるので残るように、お仕事について簡単な説明があります。まぁ察してると思うんだけど、厄介事……うん、頑張ろっか」
やっぱりだよ……と、肩を落とす比野の頭にぽんっと手を載せた部屋を出る最後の自衛官が
「安心しろ、面倒なのは後方支援隊も一緒だ」
といい笑顔で言って部屋から出ていったところで、部隊長が今回の仕事内容を説明し始めた
……いいじゃないか支援科は、実際にどんぱちするんじゃないんだから
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