#1 機士科のお仕事

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――― ―― ― 駄菓子屋で昔懐かしい格安の甘味をしこたま購入(主に心視が)して、そのまま店舗向かいにあるベンチに二人で座り込んだ。くじ付き菓子の封を一つ開けると、赤い飴玉とくじが出て来た 「今頃は剛と宇佐美さん、ついでに志度がシフトに入ってるんだっけ、どういう人選なんだろうな」 「……今日のシフトは実質の当たり目、そして待機の私達は実質の戦力外通知……はずれ。次」 心視は表情も変えず、声だけ少し落ち込ませて言った。無心とばかりに菓子の封を開けてはビニ袋の上に積み上げている。もしかしたら、こいつはこいつでその戦力外通知とやらにされたことを少し気にしていたのかもしれない――比野は心視の頭を軽く撫でる。いじけてるときは意外とこれで機嫌が直ったりする 「まぁそう卑屈になるなって」 人のこと言えないけど、とぐりぐり心視の頭を擦りながら 「そもそも、僕はともかく、狙撃手のお前が待ち伏せ上等の単独任務でなにするんだよ……と、こっちも当たりだ。後で交換しに行こっと」 聞いた話によれば、協力を要請した海保の巡廻艇が乗り捨てられた不審船を発見。それも、今回と照らし合わせて見る限り、ほぼ確実にAMWを数機積んでいる大きさだったらしい となれば間違いなく、検問を強行突破し、強奪犯と合流するために必要な武装を持ち合わせているだろう。そうなればテロリストを待ち伏せ……地形的に近接戦闘が強いられる作戦になるのは必須であり、それに適している近接戦闘装備の三人が作戦の要としては適任となるのは必然だったと言える
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