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自分の部屋のドアを開けて、思わず固まった。
造り付けのクローゼットの開いた扉から、突き出すようにでたお尻が、ひょこひょこと動いている。
「……ちづ?」
「あ、ユキ」
名前を呼ばれた千鶴が、もそもそと這い出てきてフニャリと笑った。
「……何やってんの」
「んー、町内の小学校でチャリティーバザーをやるから、何か出してくれって頼まれてね。出せる物を探してるの」
「ああ、回覧板が来てたな」
「うん、それ。来年はヒロも行く小学校だから、今から協力してた方が心証がいいでしょ?」
「まあ、そうだな」
16歳とは思えないちゃっかりした発言に苦笑いしながら頷いた。
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